第89回 コロナワクチン接種とレプリコンワクチンについて

みなさんこんにちは、バナナ先生のハッピーラジオへようこそ。

今年10月から開始!コロナワクチン接種とレプリコンワクチンについて

2024-04-27 (2)

1. 令和5年度までの接種体制

令和5年度までのコロナワクチン接種は、**「特例臨時接種」**という形で行われていました。これは、基本的に生後6か月以上のすべての方を対象に、公費負担で無料で行われるものでした。この期間、ワクチン接種は1回限りで、920日から翌年の331日までの期間に行われてきました。接種券は市から送られてきて、それを使って指定された医療機関や集団接種会場で接種を受けるという形でした。

市の予約サイトで簡単に予約ができ、指定された病院や集団接種会場で接種を受けることができたので、多くの方がスムーズに接種を終えられたのではないでしょうか。そして、接種を受けた方には全員、予防接種済証が発行され、希望者には無料で予防接種証明書も提供されました。

また、もし接種後に健康被害が出た場合、松戸市の予防衛生課に相談することができる救済措置が設けられていました。これも安心してワクチン接種を受けられる一つの大きなサポートとなっていました。

2. 令和6年度以降の接種体制

さて、2024年、つまり令和6年度以降は、コロナワクチンの接種体制が大きく変わります。ワクチンは**B類疾病の定期接種」**として、季節性インフルエンザワクチンと同様の扱いになります。これに伴い、対象者は高齢者や特定の疾患を持つ方々に限られるようになります。

具体的には、以下の方々が対象です:

  • 65歳以上の方
  • 60歳~65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害、もしくはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による障害を持つ方で、これらが身体障害手帳1級に相当する方

接種費用についても変更があります。これまでのように全額公費負担ではなく、接種費用は自己負担2,000となります。ただし、生活保護受給者や特定の法律に基づいた支援を受けている方は、引き続き無料で接種を受けられます。

また、接種の時期や回数も少し変わります。助成期間は令和6101日から令和7331日までで、1回の接種が基本となります。任意接種については、通年で接種が可能ですが、全額自己負担となります。

3. 接種券と接種場所

令和5年度までのように市から接種券が送られてくるのではなく、令和6年度以降は、予診票が市内指定医療機関に備え付けられます。ワクチン接種を希望する場合、医療機関に直接確認・予約をして、接種を行うことになります。集団接種は行われず、すべて医療機関での個別接種となります。

また、予防接種済証は引き続き発行されますが、定期接種を受けた方のみに発行されます。接種証明書は希望者に有料で発行されますが、コンビニ交付は終了するので、注意が必要です。アプリでの接種証明書も、令和5年度までに発行されたものは閲覧可能ですが、令和6年度以降の新しい接種記録の更新は行われません。

4. 健康被害救済措置について

もし接種後に健康被害が生じた場合の救済措置についても、体制が少し変わります。定期接種の場合は、松戸市予防衛生課に相談することができますが、任意接種の場合は、独立行政法人の医薬品医療機器総合機構(PMDA)に直接相談する必要があります。

これにより、任意接種か定期接種かによって、相談窓口が異なることを事前に確認しておくことが大切です。

レプリコンワクチンとは??

今日はちょっと話題の「レプリコンワクチン」についてお話ししていきます。このワクチンについては、最近ニュースやSNSでもいろいろと話題になっていますが、実際にどういうワクチンなのか、そして安全性や副作用について、正しく理解しておきたいところですよね。

まず、10月から新型コロナワクチンの接種がまた始まりますが、今回は5つのワクチンが認可されています。リスナーの皆さんもご存じの方も多いと思いますが、ファイザー社の「コミナティ」、モデルナ社の「スパイクバックス」、第一三共の「ダイチロナ」、武田薬品の「ヌバキソビッド」、そして今日お話しするMeiji Seika ファルマの「コスタイベ」というレプリコンワクチンです。

この「コスタイベ」、いろいろと注目されていますよね。なぜかというと、レプリコンワクチンというのは、いわゆる「次世代のmRNAワクチン」とも呼ばれているからなんです。でも、「次世代」とはどういうことなのか、何がこれまでのワクチンと違うのか、少し詳しく見ていきましょう。

現在、日本では以下の5種類の新型コロナワクチンが認可されています。

  • ファイザー社のmRNAワクチン「コミナティ」
  • モデルナ社のmRNAワクチン「スパイクバックス」
  • 第一三共のmRNAワクチン「ダイチロナ」
  • 武田薬品の組み換えタンパクワクチン「ヌバキソビット」
  • Meiji Seika ファルマのレプリコンワクチン「コスタイベ」

レプリコンワクチンの仕組み

まず、レプリコンワクチンは、mRNAワクチンをさらに進化させたものなんです。従来のmRNAワクチンでは、ウイルスのスパイクタンパク質を作る設計図、つまりmRNAが体に入って、それが細胞の中でスパイクタンパク質を作り、それに対して免疫システムが反応して抗体を作る、という仕組みでした。

ところが、レプリコンワクチンでは、mRNAが自分自身で複製される、つまり自己増殖するんですね。どういうことかと言うと、このワクチンには「レプリカーゼ」という酵素を作る設計図も含まれていて、この酵素がmRNAをどんどん増幅していくんです。例えるなら、コピー機でどんどんチラシを増やすようなものですね。

従来のワクチンは、一枚一枚手書きでチラシを作っているようなもので、一つずつ作るのに時間がかかります。それに対してレプリコンワクチンは、コピー機を使って大量にチラシを作る感じです。つまり、少ない量のmRNAで、効率よくたくさんのスパイクタンパク質を作り出せるというわけです。

そしてこのスパイクタンパク質が体内に存在することで、免疫システムがそれを「異物」として認識し、抗体を作ったり、免疫細胞が活性化したりします。これが感染予防に役立つんですね。

レプリコンワクチンのメリット

では、このレプリコンワクチンのメリットは何かというと、大きく2つあります。

まず、効果の持続期間が長いということです。少ない量のmRNAで効率的にスパイクタンパク質を作ることができるため、免疫システムがしっかりと反応し、長期間にわたって免疫力を維持できると言われています。

次に、少ない投与量で済むという点です。たとえば、ファイザー社のワクチン「コミナティ」は30μgmRNAを含んでいますが、レプリコンワクチン「コスタイベ」はたった5μgmRNAで同じかそれ以上の効果を発揮します。これは、mRNAが自己増殖する仕組みのおかげです。

実際、日本で行われた臨床試験によると、オミクロン株に対する中和抗体価が、接種後30日ではコスタイベがコミナティよりも約1.3倍高く、90日後では2倍以上高くなっているという結果が出ています。また、180日経過後も、コスタイベはコミナティよりも抗体価が2倍以上高いままだということです。これは非常に大きなメリットですよね。

レプリコンワクチンの安全性や副作用は?

さて、ここで気になるのが安全性と副作用です。新しい技術が使われているとなると、やはり不安を感じる方も多いと思います。

まず、レプリコンワクチンは、ベトナムで非常に大規模な臨床試験が行われました。16,000人を対象にした試験では、重症化予防効果が95.3%、発症予防効果が56.6%と報告されています。これは、デルタ株が流行していた時期のデータですが、非常に高い予防効果が示されています。

また、副作用についても詳しく報告されています。例えば、接種後に報告された主な副作用としては、疼痛、頭痛、疲労感、筋肉痛などがありましたが、これらは従来のmRNAワクチンとほぼ同じ程度です。さらに、日本国内で行われた第3相臨床試験でも、ファイザー社の「コミナティ」と比較して副作用の発現率に大きな差はなく、概ね同等の安全性が確認されています。

さらに、治験において「シェディング」についても調査されていますが、これも科学的には否定されています。つまり、ワクチンを接種した人が他の人にウイルス成分を伝播するという可能性は非常に低いということです。

レプリコンワクチンを打つと入店お断り?

しかし、最近SNSなどで「レプリコンワクチンを接種した人は入店お断り」といった投稿を目にします。このような対応を取るお店が現れているというのも事実です。

これは、「シェディング」に関する懸念が広まったことが背景にあるのですが、前述の通り、科学的にシェディングが起こるという証拠はありません。また、実際にレプリコンワクチンを接種したからといって、それが他の人に害を与えるということはないとされています。

確かに、ワクチンに関する情報は多岐にわたり、混乱を招くこともありますが、冷静に科学的なデータを元に判断することが大切です。

【当院で採用している新型コロナワクチンについてのご案内】

皆さん、こんにちは。当院では、これまで新型コロナウイルスに対する様々なワクチンの選択肢が増える中で、最も効果的で安全性の高いワクチンを患者様に提供することを大切にしています。今回、当院および鎌ヶ谷にある新鎌ヶ谷くぼた皮膚科泌尿器科で採用している新型コロナワクチンについて、詳しくご紹介いたします。

当院(くぼたクリニック)で採用している「武田社製ヌバキソビット」

まず、当院では「武田社製ヌバキソビット」という新型コロナワクチンを採用しています。このワクチンは、これまでに多くの方が接種しているmRNAワクチンとは異なり、「不活化ワクチン」というタイプです。これがどのようなものか、そしてなぜこのワクチンを当院が選んだのか、詳しくご説明いたします。

不活化ワクチンとは?

不活化ワクチンというのは、ウイルスや細菌を殺して、その死んだ状態の病原体を用いて免疫をつけるタイプのワクチンです。インフルエンザワクチンなど、従来から広く使われているワクチンと同じタイプになります。この不活化ワクチンは、生ワクチンのように生きたウイルスを使わないため、一般的に副作用が少ないと言われています。

「ヌバキソビット」は、この不活化ワクチンの一種であり、安心して接種できるワクチンとして多くの人々に支持されています。特に、mRNAワクチンが新しい技術であるために不安を感じている方や、過去にワクチン接種で副作用を経験された方にとって、この不活化ワクチンは非常に安全な選択肢となります。

なぜ「ヌバキソビット」を採用しているのか?

「武田社製ヌバキソビット」を当院が採用している理由は、以下の2つのポイントにあります。

  1. 安全性の高さ ヌバキソビットは、mRNAワクチンと比較して副作用のリスクが低いとされています。不活化ワクチンであるため、一般的なインフルエンザワクチンと同様のプロセスで作られており、多くの人々が接種しても大きな副作用が報告されていないことから、安心して使用いただけると判断しました。
  2. 効果の信頼性 効果についても、ヌバキソビットはmRNAワクチンと同等の効果があるとされています。つまり、ウイルスに対する免疫をしっかりと形成し、重症化を予防する効果が期待できます。特に、長期間にわたって高い効果を維持できることが確認されているため、当院では患者様に最良の選択肢としてヌバキソビットを提供しています。

新鎌ヶ谷くぼた皮膚科泌尿器科で採用している「ファイザー社製コミナティ」

一方で、鎌ヶ谷市にある新鎌ヶ谷くぼた皮膚科泌尿器科では、「ファイザー社製コミナティ」を採用しています。このコミナティも、多くの方々にとっておなじみのワクチンではないでしょうか。実際に、世界中で数億人が接種しており、非常に信頼性の高いワクチンとして知られています。

「コミナティ」の特徴と安全性

コミナティは、mRNAワクチンの代表格です。mRNAワクチンというのは、ウイルスの一部であるスパイクタンパク質を作る設計図(mRNA)を体に送り込み、そのタンパク質に対する免疫反応を引き起こすことでウイルスに対抗する力を身につけるタイプのワクチンです。

mRNAワクチンのメリットは、短期間で効果的に免疫をつけることができる点です。また、これまで多くの人々が接種してきた実績があり、副作用についても厳重にモニタリングされています。副作用としては、接種部位の痛みや一時的な発熱、倦怠感などが一般的ですが、これらの症状は通常12日で改善されることが多いです。

特に、コミナティは、変異株に対しても効果があることが確認されており、特にオミクロン株の流行時にも有効であったことが報告されています。そのため、当院でも安心して患者様にご提供できるワクチンとして採用しています。

コミナティの副作用について

「コミナティ」は世界中で使用されているため、多くのデータが蓄積されています。副作用としてよく報告されるのは、軽度の副反応、たとえば接種部位の痛みや腫れ、倦怠感、頭痛、発熱などです。しかし、これらは通常、数日以内に解消し、長期的な影響はほとんどありません。

さらに、日本でも多くの方が接種しており、その安全性と効果が広く証明されています。mRNAワクチンは、当初は新しい技術として注目されましたが、今では信頼性の高い選択肢の一つとなっています。

それぞれのワクチンの選択理由

当院では、患者様一人ひとりの体調や健康状態に応じて、最適なワクチンを提供することを最優先に考えています。そこで、ヌバキソビットとコミナティという2つのワクチンを使い分け、それぞれの特徴に応じて安心して接種できる環境を整えています。

「武田社製ヌバキソビット」を選択した方がよい場合

  • 過去にワクチン接種で強い副作用を経験したことがある方
  • 不活化ワクチンに対する信頼がある方
  • mRNAワクチンに対する不安がある方

「ファイザー社製コミナティ」を選択した方がよい場合

  • これまでにmRNAワクチンを接種して問題がなかった方
  • 変異株に対する免疫効果を重視したい方
  • 世界的に広く使用されているワクチンを選びたい方

ちなみに当院ではレプリコンワクチンは取り扱っておりません。

まとめ

今日は、レプリコンワクチンについて詳しくお話ししましたが、いかがでしたでしょうか? 新しい技術が登場するたびに、賛否両論が巻き起こるのは当然のことですが、大切なのは、しっかりとした科学的データをもとに判断することです。

これからも、皆さんに最新の医療情報をお届けし、健康的な生活をサポートしていきたいと思います。今日の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

bn_covid